通気緩衝工法・通気絶縁工法とは?
屋上防水の改修工事で良く聞く【通気緩衝工法(通気絶縁工法)】とは一体どんな工法なのか?
大変人気の工法で、多くの防水業者が提案をしてくると思われます。
実際に当社でも、この通気緩衝工法(通気絶縁工法)を良く採用頂いている事を実感しています。
中でも、
・様々な下地に対応出来る
・次回の改修工事がし易い
・水が溜まりにくいシームレスな防水層が形成出来る
・金物を使用しないので比較的安価
等より、ウレタン塗膜防水+通気絶縁工法が大変人気です。
当コラムでは通気緩衝工法(通気絶縁工法)の紹介、またメリット・デメリットをご紹介出来ればと思います・・・!
通気緩衝工法(通気絶縁工法)には、空気の通り道がある(!)
- 通気緩衝工法(通気絶縁工法)とは
- 防水シートの《下》に、空気の通り道を設ける工法
防水工事は大きく分けて、【密着工法】と【絶縁工法】の2つがあります。
通気緩衝工法(通気絶縁工法)は、名前の通り後者の【絶縁工法】となります。
密着工法は、床等の下地と、防水シート等をしっかりとくっつけて、防水層を形成するのに対し、
絶縁工法は、その間に空気の通り道を設ける工法となります。
防水工事は10年や20年程度経ってから改修工事をする事が多い為、下地には多量の水分や汚れが溜まっております。
この水分や汚れがたっぷりと溜まっている状態で密着工法を採用してしまうと、水分や汚れの逃げ場が無くなってしまい、防水層の膨れや浮きの原因となってしまいます。
最悪のケースは防水層を破壊して穴だらけとなり全面やり替えにも・・・
新築当初は汚れも水分もあまり多くない為、しっかりと下地と防水層を固定させる密着工法でも問題は無いのですが、
改修工事となると、敢えて水分を逃がす道を設けるといった工夫をしなければなりません。
そこで多くの改修工事では、【防水シート自体に空気の通り道が設けられている】防水シートを使う工法や、
防水層を形成する前に【空気を逃がすだけの層】を設ける工法など、防水層が膨れてしまったりする不具合を無くせる、通気緩衝工法(通気絶縁工法)を採用するのです。
冒頭でも少し触れました通り、通気緩衝工法(通気絶縁工法)を採用するとなると、ウレタン塗膜防水が頭一つ抜けて人気です。
一方、アスファルト防水でもシート防水でも同様の工法は存在します。
その為に一括りには申し上げられないのですが、一般的に通気緩衝工法(通気絶縁工法)のメリット・デメリットは以下の様な所となると思われ、ご参考頂けますと幸いです。
メリット
- 膨れ・浮き防止になり、改修工事に最適
- 下地に亀裂が入っても防水層に直接影響しない
- 比較的、既存の下地を選ばない
通気緩衝工法(通気絶縁工法)の最大のメリットとしては、やはり防水層の膨れをかなり軽減する事が出来、安定した防水層を形成出来る事に尽きます。
下地に水分を含んだ状態で密着工法を施工してしまうと↓の様な膨れの原因になってしまい、防水層の耐用年数も短くなってしまう為に注意が必要です。
また下地と防水層が直接くっついているわけではないので、地震などで下地にひび割れが発生しても、防水層に直接的な影響が少ない事もメリットとなります。
密着工法では、そのまま防水層もひび割れてしまうケースも無くはありません。
加えて、経年で下地がゴツゴツしたり汚れが溜まっていたとしても、空気を通す層を設けますので、下地の悪さをある程度吸収出来、下地調整費を抑える事にもつながります。
また例えばシート防水からウレタン塗膜防水へ、防水層の種別を変える事も可能となります。
デメリット
- 万が一、1箇所に穴が空いてしまうと全てに水が回る
- 費用が高くなる
- 脱気装置が必要になる
しかし一方、言ってしまえば防水層が下地の上に浮いている状態でもあります。
その為、1か所に穴が空いて水が入ってしまえば、そこから空気が通る道を水が通ってしまい、防水層全体がおかしくなってしまう原因になります。
また空気が通る層を設ける為に手間と材料がかかる為に費用が上がってしまい、空気を逃がす為の脱気筒と呼ばれる装置の設置も必要になってしまう為に予算の検討が必要になります。
塩ビシート防水に代表される、機械固定工法とも近しいメリット・デメリットです。
塗るよりも、貼る方が安心感があると考える防水工事業者もおり、防水工事の改修方法はプロでも意見が分かれます。
また上記の様に穴が空かない様、適切な厚みを確保し、均一な防水層を設ける技術力も問われる工法です。
一業者だけでなく、複数かつ中立な立場からご提案出来る、当社ミズハリのサービスを是非ご検討頂ければと思います…!